第一章由来と歴史
ゴールデンレトリバーは19世紀のスコットランドで、水辺の猟を助ける犬として生まれたと言われています。
ゴールデンレトリバーのルーツは、19世紀のスコットランドにあると言われています。当時のスコットランドでは水鳥などの狩猟が盛んに行われており、撃ち落とした獲物を陸でも水辺でも傷つけずに持ち帰ってくれる犬が求められていました。
こうした背景のもと、スコットランド北部に領地を持っていた貴族のトゥイードマス卿が、理想の猟犬を目指して繁殖に取り組んだことが始まりとされています。黄色い毛色のレトリバーと、現在は姿を消したツイード・ウォーター・スパニエルとの交配を出発点に、ほかの犬種の血も加えながら改良が重ねられたと伝えられています。細かな経緯については諸説ありますが、この系統が現在のゴールデンレトリバーの基礎になったと考えられています。当時の記録の一部は今も残されており、犬種の成り立ちを知る手がかりになっています。
レトリバーという名前は、英語で「取ってくる」「回収する」を意味する言葉に由来しています。獲物をくわえても傷つけない柔らかな口使い、冷たい水にも飛び込める体力、そして人の指示をよく聞いて一緒に働こうとする性質は、この回収の仕事の中で大切に育まれてきたものです。現在でもボールやおもちゃを持ってくる遊びを好む子が多いのは、こうした歴史の名残と言えるでしょう。
20世紀の初めごろにはイギリスで犬種として認められ、その後アメリカをはじめ世界各地へと広がっていきました。賢く穏やかな性格が評価され、猟犬としてだけでなく、盲導犬や介助犬、セラピードッグなど、人を支える仕事でも活躍するようになります。
日本でも家庭犬として高い人気を誇り、多くのご家庭で家族の一員として暮らしています。人と協力して働くために生まれた犬だからこそ、人のそばで過ごす時間を何より喜ぶ犬種だと言えます。その歴史を知っておくと、日々の関わり方のヒントも見えてくるはずです。